夢藤哲彦の 日々の活動 から、驚いたこと、発見したことを 書いて いきます。
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 You Tube で ご覧いただける演奏を 追加しました。 ショパン:子犬のワルツ
ゴドフスキー:古きウィーン  ドホナーニ:宝石のワルツ
麗しい第3楽章 2018年12月22日(土)

シーモアさんと、大人のための人生入門当時 ベートーヴェンの銅像を建てよう という運動が ありました。
そこで、シューマンは ベートーヴェンを讃える曲を作ろうと
したのですが… なぜか「はるか遠くにいる恋人」に
想いを寄せた曲が できちゃいました。
(お客さんクスッと笑う)

シューマンの幻想曲 第3楽章だけを コンサートで弾く前に
こんな風に話しています。
(自分の感じ方ですが)第1楽章冒頭(ソシレファ)ラ→ソ
「愛のエネルギー」のシンボルと 考えると、
最終の第3楽章では 「愛のエネルギー」が 成就される…
「クララへの想いが 幸福な状態に 導かれる」作品だと 感じています。

第3楽章 途中、新しく盛り上がる出発点に ベートーヴェンの
交響曲7番の変奏主題、そのリズムだけが 低音で 引用されます。
私が 感じた筋書きは
尊敬するベートーヴェンのリズムを 無限の感謝で弾いていると
ベートーヴェンをあがめている シューマン自身、そしてクララと重なって
鏡に映った分身の姿のような二重唱が始まり
「愛のエネルギー」の 柔らかい形に 導かれ
男声女声のデュエット・想いの交錯で 盛り上がっていく…


「この引用、ベートーヴェンなんかより、シューベルト即興曲と 似ている」と
シューマンより上から目線で こじつけた解説本、
曲の真意から 引き離そうとしているように 思います。
むしろ 演奏家が どのように 曲を読み解いているかの方が 私には大切。

映画「シーモアさんと、大人のための人生入門」 予告編 You Tube
映画の後半は、シューマン 幻想曲 第3楽章、長時間の演奏場面。
「コメントしながら自宅練習」と「演奏会」の映像を交錯させています。
言葉少ないけれど、重要箇所を同じように感じている と 驚きました。
この映画、観終わると 慈愛に満ちた心持ちに なります。
本番のコツ 2018年12月15日(土)

1)フォーカスしない (こだわらない)
「本番だけ 別人のように 上手に弾かなきゃ!」と、たとえば
 右手メロディーを 120%意識すると、左手伴奏を間違える。
 意識するのは、右手5割まで 左手5割までとか。
(半分しか集中できなくても 良い演奏になるくらいに 練習しておく)
 車の運転と同じ。 ばくぜんと 注意を散らしていて OK。

2)反応なんて 気にしない
 自分にベッタリ好意的でない気配があろうが、
 鉛筆の転がる音が聞こえようが、そんなの関係ない。
 本番のピアノは ふだんのピアノとは 手ごたえが 違うので、 
 自分の最高演奏には ならないことが多い。ベストを尽くすだけ。

3)集中は必要 でも 興奮は不要
 ドリンクに頼る人、世の中に いるような気が します。
 興奮したら、手が あらぬ方向に動いたりする。
 コーヒーくらいで とどめておく方が 良いと思う。
 ピアノ演奏は 複雑な操作。「クール」の範囲内に いて下さい。

 もちろん 体は あたたまってますが。
(指を動かして「10分弾いた腕」に しておく)

練習法(良い準備が 大切! 遅くとも1か月前には 仕上げる)
4)練習では 短所を補う…バランスが大切
 感覚的に 耳で 弾いている人は、手堅く練習もするし、
 考えて練習する人は、音楽が含まれるように 練習する

5)「見られている」「聴かせる」練習(1か月前〜)
 スマホに録画、お客さん目線で聴いて 修正

6)本番の「服(袖)・靴(ペダル)・髪」で 時々練習(2週間前〜)
 本番当日に「気が散ること」を 減らしておく

7)「固める練習」が 多め(2週間前〜)(固める練習は ふだんから)
 曲を通す・ペダルなしで・部屋を暗くして・感情抜きで
 「なんとなく記憶」の部分を 目ざとく発見!
 ペダルなし・ドレミで・和音で・指の動きで 再確認
 本番で弾くテンポ で 練習する 
 体の中に 「正しい」段取りを 覚えこませておく。

8)練習量を 減らす(1週間前〜)
 腕の疲れ方を良くして 本番を迎えたい。
 普段の練習量より 少し減らす。

時と場合によって 変わりますが、基本の考え方を書いてみました。
ヴォカリーズで ない歌  2018年12月7日(金)

ラフマニノフの歌曲といえば、歌詞なし「ア〜」で歌う
「ヴォカリーズ」が有名ですが、(Kozlovsky You Tube)
歌詞のある ラフマニノフ歌曲を聴くのも 好きです。 隠れた趣味ですね。

ピアノ伴奏が 特別に素晴らしく、曲の盛り上げ方が とてつもなく見事。
音楽的な気分が 上がります。

自分好みの「言葉が聴こえる」演奏や「メロディーの表現が ある」演奏を
求めていくと、昔のロシア人歌手に なってしまいます。

Nina Koshetz  Oda Slobodskaya(You Tube で 探してみると)
ラフマニノフ歌曲を11曲 録音した Nina Koshetz

ライラック Oda Slobodskaya

春の水 Kyra Vayne 6分20秒〜

歌うな、美しい乙女よ Antonina Nezhdanova

ここは すばらしい場所 Sergei Lemeshev

そよ風 Georgy Vinogradov

新しい世代の演奏だと 「言葉の抑揚やメロディー美」より
個々の音符が 聴こえてくるように 感じます。
(「ア〜」「マ〜」の 歌練習と そんなに変わらない…)
歌詞を歌っている音符だけ歌っている では、
演奏の味わいや 説得力が違うと 思います。

「たくさんの曲を上手に歌える」効率を上げるのは 絶対に必要。
でも、効率だけ 求めるのは 望ましいことでしょうか?
女子高生の会話  2018年11月30日(金)

A子)音楽の授業で アメージング・グレース(You Tube)歌ったでしょ。
 あたし、家で口ずさんでたら、この夏 テキヤのバイトしてた 兄ちゃんが
「その曲、テキヤ本日営業終了の音楽!」だって。

B子)テキヤって、お祭りの出店で いろいろ売ってる
 チョコバナナとかの お兄さんお姉さんの ことだよね。

A)アメリカの聖なる讃美歌が、お祭りや縁日で…
「男はつらいよ」寅さんの世界で 流れてるなんて
 ミスマッチ! 驚き 桃の木 山椒の木!

B)女子高生なんだから、驚いた時くらい
 ナウでヤングな お嬢様の 言い方 しなさいよ。
A)マジ! マジマンジ〜
B)(プ〜)ヘデヘンジ(屁で返事)…ごめん。
A)キモ。 でも あんたのギャグ、マジウケ。
日曜日の朝のプーランク 2018年11月23日(金)

プーランクの「トッカータ」を 中学生のピアノコンクールで 聴いたことがあります。
凄味と緊迫感で押し切った 腰を抜かすほど 素晴らしい演奏でした。
でも、たとえると 凄腕料理人の作る「味付けの方向が違ってる」料理。
村上春樹 意味がなければスイングはない 文春文庫 「ストラヴィンスキーを見習った 不協和な音楽でも、
 プーランクが作ったら 愉悦感が あるはず」と 感じました。

作家の村上春樹さんの「日曜日の朝のフランシス・プーランク」
30頁の文章を、今月 初めて読みました。
意味がなければスイングはない 文春文庫 Amazon)
ホロヴィッツの弾くプーランク トッカータ(You Tube)で
「味が違う」話題を 書いています。
「ああ! 同じ感覚でプーランクを聴いてる人が 世の中に いるんだ」と
心強く思いました。

では、プーランクって どんな人だったのでしょうか?
「ナディア・ブーランジェとの対話」音楽之友社 から 引用してみます。

 プーランクに 捧腹絶倒させられた思い出が あります。
 ある知人宅の 夕食に 招かれた際に プーランクが話してくれたのは…
 彼が ウィーン駅に着き、乗るはずの寝台車の
 自分の席に行ってみると、よその人が陣取っていたので、
 退いてもらわなかった というものでした。
 ごく ありふれた話でも、彼の話ぶりが あまりにも おかしくて
 私たちは 涙が出るほど 笑い転げました。

 あっけにとられた様子の ちょっと間の抜けた客室係と、
 退くはめになった男性を模倣する プーランクの仕草が
 あまりにも 愉快だったからです。

 それは まさに ピアノの前で自作自演する時の
 プーランクの弾き方と 同じ。
 それ自体は 何の変哲もないことが、
 たまらなく おかしいものに なってしまうのです。
ほめられたい  2018年11月14日(水)

ピアノの先生)中学校のクラス対抗・合唱大会でピアノ伴奏した生徒さん、
 「伴奏者賞」を もらいたくて もらいたくて。
 「受賞がすべて」という 若い人の価値観に、戸惑いました。

ムトー)最近読んだ本 「心で弾くピアノ」に 書いてあったのは、
セイモア・バーンスタイン 心で弾くピアノ 音楽による自己表現 「2回目のリサイタル、出来が悪かった経験」
 著者のデビューリサイタルは 「自分と音楽が 一体となった練習」を
 積み重ねて
本番。 評論家全員が絶賛。
 2回目のリサイタルは、「評論家に ほめられよう」と練習。
 音楽に集中しきれなくて 練習、本番。 出来が悪かった。

 「自分で 判断できる」方向で 心がける…著者の師匠のアドバイスは
 「そのうちに 自分の内なる声が すべてを 教えてくれるだろう」

ピアノの先生)う〜ん、価値観を作るなんて、長期戦ですね。
ムトー)私自身は 「第六感で 練習内容のバランス取る」のが 大事 と思ってる。
 音符を覚える 速さ決める 表現作る 間違えずに弾く
 この4種類の練習の バランスを 取るんだ。
 あと、本番に近づけば、固める(確認する)練習が 中心。
 ひらめいても 新しいことは しない!

ピアノの先生)それって… 先生も 失敗から学んだでしょ?
ムトー)まぁね。
ショパンのワルツ集 どの楽譜を 使ったら いいの?
2018年11月1日(木)

ピアノの先生から「生徒さんに どこの出版社の楽譜を買ってもらうか」
よく尋ねられます。 私の場合、楽譜を選ぶ基準は
1)楽譜を めくる場所が適切…覚えやすい レイアウト
2)指番号が 自分に合っていて、弾きやすい
3)楽譜が正確、使える内容


ショパンのワルツ集だと、
1)パデレフスキー版のワルツ楽譜は、めくる場所が 奇妙。
 両手が ふさがって、音楽の途中で めくることばかり。
 練習の効率が悪いし、めくる手間も かなり面倒だと 思います。

2)全音楽譜には、時々「普通でない 指番号」が ある。
 別れのワルツの半音階で、弾きながら急に手のひらを ひねることに。
 全音楽譜のワルツ集を 生徒さんに使わせる場合、
 「普通の指番号」を ところどころ書き込むことになります。

3)ショパンの遺作のワルツ「ホ短調」と「イ短調」の2曲が
 収録されていると、初級中級者のレッスンで 使いやすい。
 エキエル編集のポーランド版は、遺作のワルツ 未収録で 驚きました。

私は、練習したのが ヘンレ版で、とても 使いやすかったです。
生徒さんの保護者が 楽譜の値段を気にすることは よくあるので…
おすすめは メジューエワさん指番号の ワルツ集の新しい楽譜(2018年)
音楽之友社 New Edition (Amazon) かな。
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