ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 演奏法
一筋縄では行かない…役に立つヒント
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、天下の名曲のはずなのに生演奏で
うまくいっているのを聴いたことがない。
オーケストラと一緒に弾いていても どこか しっくりいかない。

演奏法のポイントを整理すると 次の4点。
1.フレージングを作る。
2.オーケストラのタイミングで弾ける。
3.協奏曲のタッチ・コントロール
4.リハーサルでオーケストラと折り合いをつける


オーケストラに慣れていないピアニストが ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を
「本番の日にやっとこさ間に合わせた」という話を何度も耳にしてきた。
「大」協奏曲を弾くテクニックがあれば
Grieg, Chopin op.11, Tchaikovskyの方が合わせやすい。協奏曲経験 積めるのに。
とりあえず 解決法を考えてみると…

このページの登場人物が題材になっているので載せてみました
鐘の音三つ鳴るような ラフマニノフ 前奏曲嬰ハ短調を
モイセイヴィッチが腕を振り上げて一心不乱に弾いている。
横でラフマニノフが「こんなの聴いたことがない」と驚いているか、嘆いている。
ラフマニノフがモイセイヴィッチを高く認めていたのを踏まえたイラスト(1939年)

1.フレージングを作る
ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番 長いメロディーで出来ている。
写真にたとえると パノラマ写真。
目に入る景色よりも はるかに横長の風景をイメージする作業が必要。
さらに、その土地の全体像までイメージ。

名教師レシェティツキーは 若きモイセイヴィッチを次のように教えたそうだ。
歌い方が満足できない!
ピアノから離れて、部屋の中を目を閉じて歩き回ってみなさい。
メロディーの歌い方が心に浮かぶまでだ!


各自工夫して メロディーのイメージ作り!
例えば、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番の第1楽章の第2主題で、
1)メロディー 声に出して歌う
固定ド・ハ長調に移調・起伏や音程感じる
2)(8小節の)区切りの和音は?
半終止?完全終止?その他へ転調?
3)各フレーズのキャラクターは?盛り上がりは?
4)強弱つける
5)タイミング定まってる音 見つける
カウントから自由に扱える音も見つける
6)定規の目盛りから 曲の動きにしていく


第1楽章第1主題は、同じ速さで進んでいくようでも実際は「呼吸している動き」。
ゆっくり歩いて曲の動きをつかむ作業も役に立つと思う

その後、鍵盤の上で弾きながら
A)メロディーのタッチ、強弱を作る
B)伴奏のみ弾く(実際のテンポで)
C)両手で弾く
D)「ツボ」と「自由な音」を区別して弾く
E)全パート・全体像 イメージ
左手ピアノパート伴奏+右手オーケストラ
片手ピアノパートメロディー+片手オーケストラ対旋律
両手ピアノパート弾いて+オーケストラからみを歌う (2009.9.18)
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番
腕自在に移動、<>波 感情表現、楽譜の工夫

2.オケのタイミングで弾ける 3.タッチ 4.オケにお願い

パソコン・オケとラフマニノフ協奏曲練習

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