ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番
オーケストラと共演する際のポイント

3.協奏曲のタッチ
1)「歌う」音色も大きな音で出す
腕を「のせる・圧す・ゆっくり落下」の動作が 歌う音色に適している。
大きな音出そうとして りきんでしまいがち。肩・ひじリラックス。
2)メロディー弱くなっても、メゾフォルテ止まり
メロディーは ピアノ独奏より1段階 強く。
オーケストラが長い音で伴奏する時 埋もれる危険。
第1楽章・練習番号12
メロディー弱める時も メゾフォルテ止まり。ホールのすみまで届く弱音。
第1楽章・練習番号5、6、15の9小節目
3)ウナ・コルダでも、くっきりタッチ
雰囲気を変えるために左ペダルを使っても、くっきりしたタッチが基本。
第3楽章・練習番号28前8小節間、練習番号32 1小節半前〜32
練習番号34前14小節分

4.オーケストラにお願いしたい…願望
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 オーケストラ編成
オーケストラの重厚なサウンドと バランス取るのは難しい。
2004年演奏の弦楽器編成は ヴァイオリン12-10、
ヴィオラ9、チェロ10、コントラバス6だった。
1)第1楽章 練習番号1-2では 弦楽器がピアノを押しつぶしてしまう。
弦が思いっきり濃く弾いている音を 少し薄くしてもらえばありがたいが。
音の渦のまん中に指揮者…どの指揮者も困惑するようだ。
2)第1楽章・練習番号14の9小節以後
ピアノメロディーを追いかけてもらうよう チェロに頼む。
3)第3楽章・練習番号29、練習番号28と同じように
すぐ弱くするやり方に変えてもらう。
4)第3楽章・練習番号34から8小節前
フルート♭ラ ソ ♭ラ ソ 音をくっきり立たせる。
5.ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 注意点
1)臨時記号の見落とし
同じ小節に臨時記号の♯や♭が再び出ても、
ラフマニノフは ♯♭をあらためて書かない。
見た目で うろ覚えすると 必ず間違える。
小節後半の臨時記号を 念のため書いておく。
第1楽章・練習番号8−9、第2楽章・練習番号20−21、
第3楽章・練習番号30
2)指番号を考えるのに 時間をかける
パッセージに合った指使いを見つける。驚くほどスムーズに弾ける。
左手5・1の後に5を使うやり方にも慣れる。
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 指番号1
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 指番号2
3)楽譜の変更
届かない和音 実際のテンポで無理な和音 音削って構わないと思う。
4)暗譜の盲点
意識しないで弾くと…
・第3楽章・練習番号28と29の各6小節目が混ざる。
28は同じパターン、29はパターン高くなる
まとまり始めを弾きながら、問題部分のイメージを思い浮かべる。
・第3楽章・練習番号30と36のMeno mossoも区別。
30右手を♭ミに上げる
5)突然ピアノだけになったら、気を落ち着けて!
第2楽章・練習番号23冒頭、25、第3楽章・練習番号33の前など
突然ピアノだけになった時に パッセージしくじりやすい。
浮足立って、すっ飛ばして、弾いてしまうから。
問題個所の前で息を吸う/気を落ち着けて/手の移動を確認/
各音ずつ指を動かす・各音のイメージ作る/
で練習。(2009.9.18)
指揮・田中瑞穂 ピアノ・夢藤哲彦
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