ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 演奏法
一筋縄では行かない…役に立つヒント
 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は、天下の名曲のはずなのに、生演奏でうまくいっているのを
聴いたことがない。夢藤自身、オーケストラと一緒だと壁に当たったようでどこかしっくりいかない。
 演奏法のポイントを整理してみると、次の4点になる。
1.フレージングを作る。
2.オーケストラのタイミングで弾ける。
3.協奏曲のタッチ・コントロール
4.リハーサルでオーケストラと折り合いをつける


 オーケストラに慣れていないピアニストが、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を「本番の日に
やっとこさ間に合わせた」という話をこの30年間何度も何度も夢藤は耳にしてきた。
「大」協奏曲を弾くテクニックがあれば、Grieg、Chopin op.11、Tchaikovskyの方が合わせやすいし、
協奏曲の経験が積めるのに……と思う。とりあえず、上記のポイントの解決法を書いてみる。

このページの登場人物が題材になっているので載せてみました
鐘のような音が三つ鳴る、ラフマニノフの前奏曲嬰ハ短調を
モイセイヴィッチが腕を振り上げて一心不乱に弾いている。
横でラフマニノフが「こんなの聴いたことがない」と驚いているか、
嘆いている。
ラフマニノフがモイセイヴィッチを高く認めていたのを踏まえて、
大げさに描いている(1939年)

1.フレージングを作る
 ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番も、なが−−いメロディーで出来ている。写真にたとえると、
パノラマ写真。パッと目に入る景色よりも、はるかに横長の風景をイメージする作業が必要だ。
さらに、その土地の全体像までイメージできるようにしてほしい。
 伝説の名教師レシェティツキーは、修行時代のモイセイヴィッチを次のように教えたそうだ。

歌い方が満足できない!
ピアノから離れて、部屋の中を目を閉じて歩き回ってみなさい。
メロディーの歌い方が心に浮かぶまでだ!


 この通りの方法でなくてもよいが、各自工夫してメロディーのイメージを作ってみよう。
例えば、ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番の第1楽章の第2主題で、
1)メロディーを歌う(固定ドで・ハ長調に移調して/起伏や音程を感じる)
2)(8小節の)区切りの和音は?(半終止?完全終止?その他の調へ転調?)
3)各フレーズのキャラクターは?盛り上がりの程度は?
4)強弱をつける
5)「ツボ」の音(タイミングの決まった音)を見つける/カウントから自由に扱える音も見つける
6)「定規の目盛り」から、「曲の動き」にしていく

第1楽章第1主題は、同じ速さで進んでいくように見えても、実際は「呼吸している動き」になっている。
ゆっくり歩いて曲の動きをつかむ作業は、想像以上に役に立つと思う。)


 その後、鍵盤の上で弾きながら仕上げていく
A)メロディーのタッチ、強弱を作る
B)伴奏のみ弾く(実際のテンポで)
C)両手で弾く
D)「ツボ」と「自由な音」を区別して弾く
E)合奏した状態をイメージする
  左手でピアノパート伴奏+右手でオーケストラ
  片手でピアノパートメロディー+片手でオーケストラ対旋律
  両手でピアノパート弾いて+オーケストラからみを歌う 
(2009.9.18)
ラフマニノフ ピアノ協奏曲2番 2.オーケストラのタイミングで弾ける 3.タッチ・コントロール

関連記事 パソコン・オーケストラと ラフマニノフ協奏曲 練習

夢藤哲彦 ホームページ  ピアノ協奏曲・解説  ピアノ協奏曲・目次
Copyright(c) 2014 Tetsuhiko Muto All Rights Reserved.