シューマン ピアノ協奏曲 練習法・注意点
楽譜選び 練習初期からスコア確認 第3楽章 分かれ道対策

第3楽章第2テーマ 練習法 生演奏聴けば収穫大

初リハーサル 弾いてみて思ったこと
楽譜選び
ピアノ協奏曲、最初に用意するのは ピアノ譜とオーケストラスコアの2種類。
Peters社楽譜 Henle社楽譜 Dover社楽譜
ふだんの練習に使う ピアノ譜(2台ピアノ譜)
昔から使ってきた ザウアー(リストの弟子)校訂 Peters社楽譜。
最近買った 新しい楽譜 Henle社楽譜(内田光子さん指番号)。
Henle版は 小節数書いてあり リハーサルで役に立つ。


指番号は 標準的なザウアー、個性的でも考え抜いた内田光子、
両方混ぜて 参考にしています。
弾きづらい部分では 内田さんの解決法が 役立っています。

確認に使う オーケストラスコア
大判スコアで 安く買えるのが Dover社スコア。
19世紀の楽譜の再版。小音符・#♭の抜け落ちが わずかある。
ミニチュアスコアは 各社から出ている。
練習初期から オーケストラスコア確認

オーケストラと合奏する時、ピアノソロとは タイミングが違う。
ざっと眺めて タイミングで 気づいたことを 鉛筆で軽くメモ。
特に 気をつけるのは、次の3つ。
・オーケストラの音(他人の出した音!)のタイミングで弾く
(楽章最後の和音など)
・「折り目正しく」1拍めを弾く
(全員合奏の瞬間とか…ピアノ 詰めて突っ込まない)
・拍子のわかる演奏をする
(オーケストラ入る1〜2小節前 よろめかない)


そのほか 肩並べて歩くように「一緒に弾く」とか、
相手が遅れ気味でも自分のテンポをキープ
する。
合奏のコツは、相手が一人の連弾や伴奏と同じです。

タイミングの問題部分は 完成品のCDを聴いてもわからない。
スコアをおおざっぱに眺めて想像するのが確実。
オーケストラの音符を一つずつ バラバラに 読むのでなくて、
「合奏する人間の営み」を想像!
第3楽章分かれ道対策 分かれ道対策 基本編

むかしむかし…シューマンのピアノ協奏曲が演奏されると
必ず聴きに現れる 名ピアニストがいました。
自分では、シューマンのピアノ協奏曲を弾かなかったけど
他のピアニストが 失敗して止まった場所を 見つけては
日付と名前と十字架を せっせと楽譜に書き込んでました。
なんとなんと、その楽譜には 世界的名人の名前が勢ぞろい!


ちょっと悪趣味だけれど、とても 納得できます。
第3楽章に「分岐点で しくじりそうな部分」5か所は ある!
弾いている途中で「以前と同じ鍵盤弾く小節」が はさまれる。
「1小節ずつ個別に思い出す方法」は通用しない。
たとえるなら、運動会の万国旗を 袋から出して
一枚ずつ見ていたら ダメ。

対策3・4の両方で練習してみたら と思っています。

対策3)あだ名をつける


シューマンのピアノ協奏曲 第3楽章
上の譜例部分が 紛らわしいので、
8小節ずつ、ニックネームを 付けてみました。
(「転調」は14小節、「高音」「つなぎ」は4小節の長さ)
手の移動にも「分かれ道」対策 必要。
前半 提示 転調高音トレモロ 1テーマ・提示・つなぎ
1テーマ・しめくくり
後半 提示転調・高音・トレモロ 1テーマ・提示つなぎ
1テーマ・しめくくり低音に突然移動 そのまま(上昇)

対策4)(8小節)フレーズで弾く
第3楽章558(450)小節 なぜか間違え易い。

・楽章前半○〇、後半○○と 練習すれば
 原始的な方法。 でも、不安定。
「右手6小節+出口2小節」の呼吸で 弾く
・「左手 名前を付けて 6+2小節」 両手で弾く
第3楽章第2主題は 手の都合の「逆で」弾く
シューマン:ピアノ協奏曲第3楽章第2主題
シューマンのピアノ協奏曲 第3楽章の第2主題は、合わせにくくて有名。
目印の1拍めが わかりづらいから。ポイントは
・音は 2拍ずつでも、3拍子
・ピアノは 「手の都合の逆で」弾く練習も しておく


解決法は
1)弦楽器入る前の「折り返し」が 目印。アクセント書く
(ソロ弾きながら 第1ヴァイオリンを歌えるように)
シューマン:ピアノ協奏曲 第3楽章第2主題
2)「手が暇」だと ぶっ叩くけど、音質・強さ 抑える
シューマン ピアノ協奏曲 第3楽章 練習法
3)「手が忙しい途中」の「折り返し」を 遠くまで きわだたせる
「指上下」「手で弾く」切り替える・「切って(空白作って)」さらう

シューマン ピアノ協奏曲 第3楽章 練習法
4)音符のない1拍め、体で感じる
 
5)左手全部+右手1拍めだけ 右4小節フレーズ&両手のアウフタクト

同じ音なのに続きが違う。分かれ道 対策も して下さい。
生演奏聴けば 収穫大

シューマン ピアノ協奏曲のコンサート 聴きに出かけました。
ピアノ協奏曲は、生演奏聴くと 収穫大です。
「さすが〜」「なるほど〜」「素晴らしい」と 思ったこと…
・目立つ ソロ部分は、細部に至るまで彫琢する 磨き上げる
・ミスタッチしそう、入りにくい部分が 生演奏では わかる


・オーケストラを「伴奏」する時
ピアニストは まず最初に 音色を選択!(新発見!)
・「伸びる音の楽器」のテンポ感で(楽譜の「横」を作って弾く)
・オーケストラが 何をしているか、スコアで確認
よく使われる2台ピアノ譜では、全く 不十分

音楽って、空気 元気の「気」なんですね。
夢藤哲彦トップページ ピアノ協奏曲・曲目目次
Copyright(c) 2021 Tetsuhiko Muto All Rights Reserved.