ピアノ協奏曲の演奏法や ヒントを 書いています。
フランク 交響的変奏曲 演奏法 探検記

(You Tubeで 交響的変奏曲 夢藤の演奏 ご覧頂けます)

1.移調してみる & 高さを 比べてみる
 調のある音楽では、音程感、和声感、終止感の味が 大切!
「ドとかファ#とか、音を出しておけば、とりあえず OK」 ではない。
それでは、「外国語を カタカナで 暗記して スピーチする」 演奏。
おすすめ練習は
 ・ 主音との距離を 感じ取る
  主要なメロディー と 低音、曲全体の低音 で やってみる
  嬰ヘ短調の主音 ファ#との音程を、音を出す前に、イメージ
  第2音 ソ#で 終われば … おさまりが 悪い (「問いかけている」)
 ・ 半音ずらして 移調
  白鍵・黒鍵 逆に なるので、調の色や、表情のある音が 確かめられる
  「交響的変奏曲」 では、嬰へ長調がとらえにくい
 ・ ハ長調、ハ短調に 移調
  和声、音程を感じて、作る練習
 ・ 前に さかのぼって 考える
  調のわかりにくい時は、はるか先に出てくる 「目的の調」 を 感じて
  ショパン:バラード1番 冒頭が よい実例
<注意>
 ・ ピアノ演奏の基本は 「固定ド」。 譜読みと記憶は、音符 そのまま
 ・ 移調は、曲を深めていく時期に有効。 電車の中でも できる
 ・ 本番前 2週間は、混乱するかもしれない。 やらない方が よいだろう
 ・ 高校生以上、特に 大学生や 大人に、おすすめ
  幼児、小学校低学年は、音感を 身につける時期。 移調は 後回し

2.物語に たとえてみる
フランク 「交響的変奏曲」は、オーケストラと ピアノで演奏する 手の込んだ 変奏曲。
純粋な器楽曲であって、劇音楽では ない。
しかし、曲の組み立てや 基本モチーフの変化を、物語に たとえてみると…
説得力が 増すと 思う。 例えば…

試練のモチーフ 悩む人のモチーフ
序奏 1−9 神様が威厳のある稲妻のような声で
「お前に試練を与えよう」
悩みがあって暗闇に立ち尽くす姿
10−99 神様の発言に対して、悩める人が嘆いたり叫んだり、身振りも交えて答える
第1部
(変奏曲)
100−229 試練のモチーフから変奏主題を導く
試練がいろいろな形をとって現れる
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///////////////////////////
第2部
(緩徐楽章)
230−284 孤独の中で幻を見る
////////////////////////////// 嘆きながら懸命に祈る
第3部
(終楽章)
284−463 ////////////////////////////// 悩める魂が、輝いた魂に変わる
力強く…
試練の変奏主題が「確信」に変わる。その上に乗って成長した姿を誇示する
////////////////////////////// 大団円

3.名演奏家の取り組み方・名言
間違えずに弾くので、精一杯かも しれない。
「こういう音楽体験を、人に伝えよう、共有しよう」 と イメージ…
やってみる価値があると思う。 (2009.8.1.)

 弟子たちが 音楽の中に 入っていけない場合、
 頭の中に 標題(物語)を 入れることしか 道がない ことも ある。
 少なくともその作品を「勉強」中にはね。 
アラウとの対話 みすず書房 167頁

 必要なのは、個別と全体の両者が 生きた感情を 通していることである。
 個々のフレーズを 感じ取ることの できる人は、かなり多い。
 長い旋律に対して 出来る人は、わずかしか いない。
 偉大な傑作が示す 「真の全体」すべてに対して 感じ取れる人は、
 ほとんど皆無。 (1939年) 
フルトヴェングラーの手記 白水社 186-187頁

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