名伴奏者の書いた本から 役に立つ名言
ステージに出る時 女性歌手のドレスを踏んづけないように
ジェラルド・ムーア「伴奏者の発言」61頁

文字で読むと 当たり前であっても
ステージでは 毎回 気をつけなきゃ。

裾の長いドレスだと 1〜2歩 歩き始めても
裾は その場で 止まったまま!

ステージへ 歩き始める瞬間、
必ず相手のドレスと 自分の足元見て
舞台に出たら 1メートルくらい後ろを
歩くように してます。
あとを 追いかけては いけない

「あの車を追いかけろ」と探偵が
タクシー運転手に 叫ぶ。
小説では その通りのことを
運転手が やるのであるが、
これこそ 伴奏者が してはならないこと。
われわれが練習するのは、
後から 追いかけるのではなく、
むしろ先んじて 声楽家と相並んで進むため
である。

ムーア「伴奏者の発言」41-42頁

タイミングの取り方は 難しい。
心の余裕がないと うっかり「後追い」。
全体像イメージする勉強も 欠かせない。
ジェラルド・ムーアは ピアノ伴奏者。
歌曲伴奏で大活躍。
膨大な量の録音を残し 本も数冊書いている。

伴奏者の発言Amazon
(The Unashamed Accompanist 1944)
マニュアル書。
伴奏で気をつけること 簡潔に まとめている。
ジェラルド・ムーア お耳ざわりですか
お耳ざわりですか Amazon
(Am I Too Loud? 1962)
は 回想録。
共演者の思い出や 自分の成長の跡を
つづっている。
文章は不器用だが 内容は 心を 打つ。
Gerald Moore
ジェラルド・ムーア フェアウェル コンサート
伴奏活動 さよならコンサート。
ムーアの長所は 安定したタッチ。
間違えたり、かすったりしないだろう。
ピアノの音をデリケートに歌わせて 魅力的。
ムーア30〜40歳台の頃 後ろから追っかけて
歌とピアノが 二重印刷になることもあったが
このCDでは 歌と ピアノが 一体となっている。
大笑いの「猫の二重唱」と
最後の独奏「楽に寄す」の印象が 強烈。
名伴奏者のアドバイス 2.「簡単な曲」を味わい深く 弾く

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