オーケストラと共演した経験を踏まえて、ピアノ協奏曲の演奏法を 詳しく書いています。
ショスタコービッチ ピアノ協奏曲 第1番 演奏法
(You Tubeで 夢藤の演奏 ご覧頂けます)

ショスタコーヴィッチ ピアノ協奏曲 画像 トランペット 井上圭 ショスタコ 画像

1.トランペットの 座り方
楽譜が見えて (指揮&後ろ姿 ピアノも)、ラッパを ホール中央に向けるように 座る。
トランペットの井上圭さんは、ミュート付き(第2楽章用)と 2台 持ち替え。
(指揮・田中瑞穂、トランペット・井上圭、ピアノ・夢藤哲彦 2009.5.17)

2.モーツァルトと 同じ やり方で
 ショスタコービッチ(ショスタコ)は、意外にも、ピアニストにとって なじみが 薄い。
音の少ない楽譜なのに 手がなじみにくいし、ペダルを使った華麗なパッセージを
避けている。
 旧知のオーケストラ奏者が、「ショスタコの 有名でない交響曲で、大混乱!
弾き終えて 舞台で 放心状態になっているオケ全員の口から 霊魂が抜けて
ふらふら 昇っていった」 なんて 怪談話を していた。
「ショスタコ」 なんか 取り上げて、大丈夫か と 身構えてしまう。

 ショスタコービッチのピアノ協奏曲第1番は合奏しやすいように 作ってある。
中堅どころのトランペット奏者 … 1回は 演奏した経験がある曲。
弦楽器奏者 … 今回で 2回目や 3回目。
「弦は、4楽章カデンツァ後に入る所に気を付ければ、あとは安心な曲。」
(確かに この部分は 要注意!
 ピアニストは興奮していても、2割3割 冷静さを 残している必要あり

ショスタコ ピアノ協奏曲1番 オーケストラ 画像 
3.楽器編成
ピアノ、トランペット独奏と 弦楽合奏 (当日は 5-4-4-3-2) の ための作品。
写真でわかるように、舞台奥に 管楽器が 座っていない。
西尾合唱団定期公演で、モーツアルトのレクイエムを 取り上げるので、
「フルートやオーボエを使わない ピアノ協奏曲を 探す。 しかもウケル曲!」 という
指揮者・田中瑞穂先生の無理難題に 応える選曲だった。 弾いていて楽しかった!

4.ショスタコービッチのコツ
彼は、異常な記憶力の 持ち主。 頭の中で 曲を考えるタイプの 作曲家
 なので、(8)小節フレージングや、ページの起伏が 感じられれば、
よくわかる音楽だ
と思う。 「1音1音並べていけば、いつの日か格好つくのさ」 だと
いつまでたっても、ちんぷんかんぷん。

ショスタコービッチのピアノ協奏曲第1番 演奏法の ポイント
・ 「フレーズ始めと 終わりの伝統的な音」「デフォルメしたような 調子のずれた音」が
 見つけられたら、とても前進。
・ 2〜4小節ごとのキャラクター変化にも、注目。
・ モーツァルトのメロディーと同じく、長い音と 短い音が、混ざっている。
 長い音に心をこめて、腕・手首を 使って弾く。 短い音は、指の動きで!

5.楽譜に若干の問題あり
現場で音を訂正する必要はない
・ 1楽章19ピアノ譜、25ミニチュアスコア・レンタル指揮者スコアにミスプリント。
  レンタルパート譜では 正しく印刷。
・ 3楽章12〜13 パート譜にタイなし。ピアノ譜のように あっても よいと 思う。

速いスピードでは演奏困難なピアノパート・変更案
・ 1楽章60〜72で跳躍するところだけ、目立たぬよう心がけて、次のように したら…
  ショスタコービッチ ピアノ協奏曲第1番 音符
・ 1楽章94〜95、109〜111のオクターブは、1指を ひとつおきにしたら
  45 45   54 5
  1×1×   1×1
・ 4楽章460 ミニチュアスコアのように 休みを 入れる。
・ 4楽章465〜 夢藤の場合、左手のファ、レを1オクターブ下げている。
    速く弾くのを、優先したかった。 人に勧められるか、どうか、自信がない。  

6.その他
速い反復音4楽章カデンツァは、弾ける速さに限界あり。 テンポ決めて 練習
  第1楽章122や第4楽章など油断すると、「落っこちる」。 段取り練習 (2009.7.15.)

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