ピアノ伴奏での歌詞の勉強法、階名ドレミ…の扱い方、移調する練習法について書いています。
ドレミ…と聴こえて、歌を邪魔する伴奏

「ドレミ…」と階名を心の中でとなえて、歌を邪魔して弾いている伴奏を演奏会で聴いたことがある。
ピアノ・パートの右手が、呪いの言葉のように「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」で伝わってくる……


ピアノを始めたばかりや鍵盤に慣れない場合、曲がわかっていない場合、むしろ「階名ドレミ…」で練習する。
しかし、修行を積んだ大人の演奏家が、人前でドレミの貼りついた演奏をするのは、みっともない。

その中でも特に「ドレミの貼りついている伴奏を聴くのが、夢藤はとても苦手である。
わかりやすい曲、例えば唱歌「ふるさと」に置き換えて説明すると、次のようになる。
音程感・和声感が皆無、歌と無関係に右手をはっきり弾くので、歌詞が伝わってこない!!
う  さ   ぎ  お  ― い し か  の   か   わ  ―
ソレシレソレ ラレラシラレ シレシレドレ レレソレシレ
よい伴奏のための練習方法 歌パート(1、3)、 ピアノ・パート(2、4)
1a)歌詞をつけて歌ってみる [言葉のまとまり、音程の上下に注意]
1b)「うた + ピアノ」の全体像を思い描く [伴奏右手は、歌を助けるイメージ]
1c)伴奏右手を [歌詞を語っていくかのように] 弾いてみる

2)右手を弱めにするか、目立たない音質にする [このテクニックは基本中の基本!!]



さらに高度の伴奏にするなら
3)歌詞の世界に遊ぶ/ 曲全体を演奏する呼吸をつかむ/
  歌のメッセージを身振りを入れて語りかける
4a)調の主音からの距離(音程)を感じ取る [歌パート、伴奏の低音で]
4b)和音の終止感を感じて弾く [終わった感じ T、これから終わる感じ D、
   何かが起きている感じ S、その調でない感じ DD など]
4c)ハ長調、ハ短調に移調して弾いたり、他の声種で歌う調で弾いてみる
 "プロを名乗るアマチュアの演奏"と「本物の芸」の違いを、昨今のお客さんは一瞬で見抜いてしまう。
ここ数年で、出演者や企画者よりも鋭くなった感触がある。
 冒頭の「ドレミ…と聴こえて歌を邪魔する演奏」は、学術研究発表で出くわしたものである。
歌よりうるさく「うなる」伴奏者やら、呼吸もフレーズもタイミングも、からっきし合ってない伴奏やら目白押し。
「歌詞が伝わる伴奏」より前の段階ばかり……

ピアノ・パートが弾けるのは、出発点に過ぎない。 そこから先の作業、適切な練習の積み重ねで差が出てくる。
(もちろん、最初の譜読みは、固定ド「ドレミ」で取りかかるし、固定ドで暗記していく)


本番では、こだわりを脇に置いて、開き直って弾くのだが、
謙虚に、全身全霊で準備する覚悟が、必要だと思っている。 
(2009.11.3.)
夢藤哲彦 ホームページ  伴奏者の仕事部屋
Copyright(c) 2009 Tetsuhiko Muto All Rights Reserved.