バッハの弾き方 自分で見つけるしかない
強すぎず弱すぎず
ムジェリーニ版平均律音変化必要
どう使う? 組曲演奏ガイドなし
パルティータウィーン原典版
バッハ弾き方参考図書
過ぎたるは 及ばざるが ごとし
イザイの提案の中で ほとんどついでのように
言っていたことであるが
私が非常に大事にし、終生 心にとどめているものが ある。

ロシアから西欧へ ミルスタイン回想録 ナタン・ミルシテイン古典音楽(バロックやモーツァルトを含めて)は
決して フォルテ・フォルティシモで 弾いては いけない。
「フォルテとは 単にピアノで弾くな!」ということであり、
ピアノとあれば「フォルテで 弾いては いけない!」
ということである。

このことは 全くもって 正しい。
バロックや古典派の音楽は、音量が
大きすぎても いけないし、
小さすぎても いけない。
同じ意味で、速すぎても いけない。

「ロシアから西欧へ」153−154頁

バロックの初級ピアノ楽譜を見ていて
この言葉を思い出しました。

ちなみに ピアノで弱い音を弾くのは難しい。
「指 ふにゃふにゃ 弱弱しく下げる」では ない。
「鍵盤の底まで」ストンと 弾きます。
「指先細く」入れたり、指を下げる
「握力少なめ」だったり…
強く弱く弾くは、動作に 置き換えています。
桃の缶詰…音変化は必要
mugellini ムジェリーニ版 平均律クラヴィーア曲集
ムジェリーニが 演奏法を示した バッハ平均律の楽譜
最近は 日本語版も 出版されています。
音符だけ並んだ バッハ楽譜に
「メリハリある強弱」「速度」「曲想」
「音をつなげる切る」を書き加えています。

そんなムジェリーニ版 平均律楽譜の思い出…

高校時代同級生が「フーガの主題をもう少し出して」と
レッスンで言われて、いとも簡単に出来ていたので
驚きました。
尋ねたら「ムジェリーニ版使っている」。
フーガの主題を「聴かせる」ように
楽譜の強弱が書いてあります。

学生時代の師匠 谷康子先生のレッスンでも
ムジェリーニ版が強弱や歌わせ方のヒント
テンポと性格は ケラーの薄い本?で 確かめていました。
バッハのピアノ曲に 音変化つけて弾くのは
必要不可欠。


私の場合 ムジェリーニ版を使おうとすると
楽譜まっくろな演奏指示が押し付けに感じ
「こう思わないのに」と 意見の違いも 多数。

「何が何でもムジェリーニ版やツェルニー版通りに
弾かせる」音大の先生っています。
「この楽譜通りに」とののしられて拍子逆転!
奇妙な抑揚が「中国語のパロディ」になった受験生
教えたこと あります。

ためになる楽譜と信じて、
細部までその通りに弾くのも大切でしょう。
たくさんのバッハの曲に親しんで
「バッハ」感覚「バロック」感覚育てていく方法も
併用したらと 私は思っています。
桃の缶詰(どう使う?)
バッハ平均律のムジェリーニ編集楽譜
表情極端な ツェルニー版と比べれば良心的。
ツェルニー版の問題部分を 直そうとした楽譜に見えます。
(でも、直しきれてない曲 少しあり?)

ムジェリーニ版使うなら「再検討」が必要。
・最近の楽譜や原典版の音に 直す
(バッハが修正した音…特に1巻)
・短いトリルは バロックスタイルで
上の音から
・切る つなげるを、よりバッハ風に直す
(フーガの主題)


表情記号で真っ黒なムジェリーニ版に 修正追加するくらいなら
シンプルな原典版に「強弱」と「切るつなげる」を書き込む方を
私だったら選びます。
構造が 考えやすいし。(大切!)

ムジェリーニ版をたとえると…桃の缶詰。
味付いていて すぐ食べられる。
味付きで、手っ取り早く仕上がるから
素晴らしい!
という
「答えを詰め込む育成方法」気が進まないなぁ。
お菓子作りの修業に たとえると、桃の缶詰だけで
修行を終えてしまうようなもの。
果物の桃から出発する修行も どうでしょう?

「素材を生かす経験多く」そうすれば
「なぜこう弾くのか」の「理由」が わかり、
「原則」が 身に付いて「応用」できる。
「バッハ世界」の いろんなスタイルが 表現できる。


余計な作業をすると、体質改善の効果が
出てくるまで 年月が かかりますが…
地図のないジャングル…組曲
「演奏表現の答え」が 全部書いてある楽譜「だけ」で
バッハを練習させてたら まずいなぁ。
「解決能力」が育たない。


気がついたのは バッハ「パルティータ」を
教えた時。
インヴェンションや平均律と違って、
「フランス組曲」「イギリス組曲」
「パルティータ」には
弾き方が 都合よく書いてある楽譜
手薄で見当たりません。
バッハの楽譜は、もともと 音符だけ。
「他人の答えを安直に写す」育て方だと
「組曲」どう弾いたらよいか途方にくれます。
親切すぎると一人前に育たないと思ってます。

バッハの弾き方 自分で見つけるしかない。
・「テンポ」「強弱」を決める
・「キャラクター」を感じ取って音にする
・「音を切るつなげる」「装飾音」取捨選択


ウィーン原典版「パルティータ」楽譜の
「各曲へのコメント」は私の求めに 応えて
調べる 考える ヒントに なっています。
バッハ「パルティータ」解説
バッハ 6つのパルティータ ウィーン原典版ウィーン原典版の「演奏する際のコメント」
「自分で バッハの弾き方を見つける」作業に 役立っています。
よく弾かれる2番では、コメントが どんぴしゃり。

バッハのハ短調 性格と情緒
情熱的で壮大、神秘的な深みまで 内面化されている
参照する曲 2声 3声 平均律 マタイ受難曲最後の合唱

インヴェンションや平均律を キャラクター感じて 弾いたり
マタイの終わりの方を聴いてみたり。
バッハを弾く時、キャラクターや情緒は 必ずつけたいです
シンフォニア 序曲風の突き放して(分離させて)
バロックの複付点は 教えても浸透しない。
「突き放して」は 言い得て妙。
切り離して アウフタクト扱い?
サラバンド で 骨組みを弾いて→装飾法に注目
サラバンドは音符だけ弾いても 把握できない。
和声と サラバンドリズム
と装飾法感じ取る

カプリッチョ 2つのヴァイオリンのための協奏曲楽章
バッハの2台ヴァイオリン協奏曲 第1楽章と
モティーフ共通。
つなげる切るや エネルギーが参考に。
協奏曲より速め

ウィーン原典版のコメント通りに したくないことも
たまに ありますが…(1番と6番のジーグ)
「バッハの弾き方」参考図書
市田儀一郎 平均律クラヴィーア曲集第1巻 ヘルマン・ケラー J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集 スコダ バッハ 演奏法と解釈
解説付き楽譜
市田儀一郎 編集の全音楽譜
(インヴェンション、平均律1巻、フランス組曲、
パルティータ、クラヴィーア小曲集)
原典版の楽譜に加筆。初めて練習する人に
役立つよう演奏情報を解説。

曲を解説した本
ケラー「平均律クラヴィーア曲集」Amazon 中古本
平均律の各曲ごとに、調の性格、姉妹曲、
改作の経過、詳しい構成、演奏のポイント、
メトロノーム数字を 述べている。
ケラーには バッハ鍵盤曲の ほとんど全部を
簡潔に解説して,メトロノーム数字を付けた本も出ていた。

問題点を解説した本
スコダ「バッハ 演奏法と解釈」Amazon
専門家向き、我が家で 最も厚い本。
「正しく」だけど、現実的な解決法も 示す。
記号通りに装飾音を弾いて ふに落ちない時
ヒントになったり さらに迷ったり。
取捨選択は、自分でしなきゃ いけませんね。

ボドキー「バッハ鍵盤曲の解釈」
45年前の本。親切楽譜のない時代
バロック音楽の予備知識に触れました。
切る つなげる、リズムの変更、調の性格…
バッハの曲を テンポ別に分類した譜例集は
今でも 時々見ます。

紹介した本は弾いている曲を索引で探して
使って下さい。
1頁めから一字一句真面目に読んでいくと
眠くなりますzzz...
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